『盆栽』について最初に触れられいるのは、鎌倉時代(1192-1333)、春日神社の記録だと言われています。
盆栽のイラストは、同時期の法然僧の有名な絵巻物にも見られます。イラストは、鉢に植えられ、棚に展示されている自然な形の木を示しています。
これは、盆栽がこの時点で鑑賞の目的で植えられていたことを明確に示しています。
絵巻物は鎌倉時代に制作されましたが、主に平安時代(794-1191)の生活を示しています。つまり、盆栽はおそらくそのずっと前から存在していたということです。
鎌倉時代以降に書かれた様々なエッセイは、木や植物が野原や山から集められ、盆栽が作られたと言及しています。
同時期の有名な能楽「鉢木」では、鉢に植えられた木は「梅」、「桜」、「松」を意味しています。これはまた、盆栽の鑑賞が約800年前にさかのぼるという証拠です。
江戸時代(1615-1867)の間、園芸植物や鉢植えの植物、特に開花植物や色付きの葉を持つ種は非常に人気があり、大きく発展しましたが、盆栽への関心は限定的で、大きくは発展しませんでした。
しかし南宋画への関心が高まり、さらに江戸時代末期の文学芸術の人気が高まるにつれて、盆栽は絵画や詩の主題としても頻繁に使われ始めました。
その一方で、奇妙に変形した木は、誤って良い盆栽と見なされ、これらの種のコレクションは一時期流行になりました。しかしこの傾向はすぐに修正され、健康で自然の美しさの表現に基づく盆栽が復活したのです。
一般市民の盆栽への関心の高まりに対処するために、最初の全国的な盆栽展が1914年に東京で開催されました。そして1934年、東京都美術館で創造的な盆栽を強調す展覧会(国風展)が初めて開催され、現在も続いています。